- moneo:IIoTプラットフォーム
- ユースケース
moneo RTMによるコントロールキャビネットの監視
電気部品の状態監視
コントロールキャビネット内では、電気部品と電子部品は、損傷や故障につながる可能性のあるほこりや水、電磁干渉および機械的干渉から保護されています。部品によって生じる排熱と、現場に関連する温度変動により、過熱や結露による湿度上昇が生じることがあります。理想的な状態を迅速に回復できるように、コントロールキャビネットは監視されます。
ifmでは、さまざまなタイプのコントロールキャビネットが使用されています。現在のケースでは、屋内設置の能動冷却機能付きコントロールキャビネットと、屋外設置のコントロールキャビネットの2つのタイプがあります(後者には、従業員表彰システム用の評価電子機器が含まれており、自転車置き場に設置し従業員が自転車で出社した回数を記録しています)。
初期状態:
最初のケースでは、冷却剤の不具合は、偶然、またはコンポーネントが故障してシステムが停止したときにしか発見されませんでした。
2つ目のケースでは、コントロールキャビネット内のコンポーネントは限定的な温度および湿度の範囲内でのみ認可されていました。そのため、安全動作はこれらのパラメータを監視することによってのみ保証されました。温度または相対湿度の値がリミットを超えると、システムが損傷する可能性があります。
プロジェクトの目的:
中央技術管理ソリューションを実装して、コントロールキャビネット内のコンポーネントがトラブルなく動作することを保証します。温度が設定されたリミット値を超過したり、それ未満に下がったりした場合に、定義済みのメール受信者グループに自動的に通知が送られます。さらに、比較測定で屋内と屋外の温度差を判断します。屋外の温度変化によって屋内の温度も変化しますが、これは設定したしきい値内での誤動作ではないので、比較測定によって誤認アラームを回避できます。
目的は計画外のダウンタイムの回避、最適化された冷却によりエネルギ削減の可能性を活用し、リソースを節約することです。
実装:
既存のITインフラにより、moneoはifm prover gmbhの中央サーバにインストールされ、moneo RTMモジュールを起動しました。
コントロールキャビネットの監視には、ifmのLDH292タイプのIO-Linkマルチセンサ(温度+相対湿度)が屋内と屋外(屋外温度測定用)に設置されました。これにより、周囲温度を考慮することができます。両方のセンサがIoT IO-Linkマスタ(AL1350またはAL1950など)で接続されます。データは中央のmoneo RTMモジュールにより、マスタのIoTポート経由で毎秒収集されます。
温度に加えて、LDH292センサは相対湿度を%でプロセス値として出力し、これも監視されます。
このアプリケーションのしきい値は、コントロールキャビネットに取付けられたデバイスのデータシートに従って定義されます。アラームしきい値については、周囲温度が最も低いデバイスを基本とします。
- 能動冷却機能付きコントロールキャビネット
温度:10~+50 ℃
相対湿度20~60%
- 屋外のコントロールキャビネット
温度:-10~+50 ℃
相対湿度20~60%
その結果、
適切な動作環境が保証され、機械の稼働時間が向上します。コンポーネントは保護され、寿命延長のメリットがあります。最適化された冷却と加熱により、エネルギ節約を実現できます。
結論:
常時監視は、設定した目標の達成と透明性の向上に役立ちました。システム情報をダッシュボードで詳細に確認できるようになりました。データ記録により、高度な解析とさらなる最適化が可能になります。
収集されたデータにより、さらなる節約と改良を徐々に達成できます。
ダッシュボード
関連するセンサ情報は、ダッシュボード機能で迅速かつ個別に視覚化できます。温度計やラインダイアグラムなどの事前設定された計器が、現在のプロセス値を表示するのに役立ちます。標準フォーマット(PNG、JPEG、GIFなど)のグラフィックを、ダッシュボードに直接アップロードして重要な部分にラベルをつけることができます。ユーザはナビゲーションマーカを使用して、さまざまなダッシュボード間を簡単にナビゲートできます。
屋内のコントロールキャビネット:
- 現在の屋外温度(℃)
- 計算された温度差(℃)
- コントロールキャビネット内の現在の温度(℃)
ifm proverの自転車置き場内のコントロールキャビネット
- 現在の屋外温度(℃)
- 自転車置き場の現在の状態
- テキストラベル
- 別のダッシュボードにリンクするナビゲーションオブジェクト
分析
この機能により、履歴データを解析できます。たとえば、両方のユースケースにおいて、コントロールキャビネット内の温度に、屋外/周囲温度の影響がどの程度あるかを評価できます。
- コントロールキャビネット内の温度
- 屋外の温度
この解析は、数日にわたる温度曲線を示しています。屋内温度は屋外温度に大きく依存することがわかります。
設定とルール/しきい値
moneo RTMのこの機能により、各プロセス値に対して個別にしきい値を定義できます。現在のユースケースでは、プロセス値の許容範囲が定義されています。温度または湿度が設定されたしきい値未満または超過した場合は、アラームがトリガされます。
- 湿度監視のしきい値
- 温度監視のしきい値
チケット処理ルールの管理
プロセス値が超過したり到達しなかったりした場合、自動的にチケットが生成されます。チケット処理ルールは、たとえば別のアラームがトリガされた場合に新しいチケットを受信する受信者グループなど、さらなるプロセスを定義するのに役立ちます。この2つのユースケースでは、生産部門またはビルサービス部門の担当者が、しきい値範囲外が発生したことを通知するメールを受信します。
計算値
計算値機能を使用すると、プロセス値をさらに処理して計算に使用できます。両方のユースケースで、この機能を使用して周囲温度とコントロールキャビネット内の温度との差を計算します。
温度差[∆T]= 周囲温度[T2] - コントロールキャビネット内の温度[T1]
- 周囲温度[T2]
- コントロールキャビネット内の温度[T1]
- 機能ブロック:減算
- 温度差[∆T]