• 製品
  • 産業別
  • IIoTソリューション
  • サービス
  • 会社案内
  1. moneo:IIoTプラットフォーム
  2. ユースケース

Moneo RTMによる冷却水路における浄水フィルタの監視

moneo RTMを使用する、熱交換器を含むシステムの状態に基づくフィルタメンテナンス

ifm prover gmbhの冷却回路内のマイクロフィルタは、熱交換器を含むシステムのスムーズな運転を保証します。フィルタは冷却水から不純物を取り除くことにより、接続されている機械の熱交換器を保護します。この重要なフィルタエレメントは、定期的に整備および交換する必要があります。常時監視により、このプロセスが最適化され、システムの連続動作が保証されます。

生産プロセスにおけるフィルタ監視のユースケース:

  • 製品とプロセスの品質保証
  • エネルギ消費の最適化
  • メンテナンスの組織化
  • 水質の保証。チップ、藻類などの汚染物質は濾過する必要があります。そうでないと熱交換器が詰まり、故障につながります。

初期状態:

水フィルタは、状態にかかわらず固定時間間隔(8週間ごと)で交換されていました。これにはフィルタ状態の目視チェックが含まれました。フィルタの常時中央監視はありませんでした。そのため、フィルタ交換が早すぎたり遅すぎたりすることや、フィルタの欠陥や詰まりによる機械のダウンタイムや計画外の生産停止によるメンテナンス作業で追加のコストが生じていました。これらのイベントは不適切に文書化されることが多く、その後の故障モード解析はデータがないため不可能でした。

プロジェクトの目的:

予防的、事後対応的メンテナンスから、状態に基づくメンテナンス戦略にシフトして、スタッフ配置の最適化、フィルタ交換プロセスの改善、実施された対策の一貫した文書化を実現することが目的でした。メンテナンス部門のメール受信者として定義されたグループが、フィルタ交換通知を受信し、条件に基づいて必要な場合だけフィルタ交換が行われます。さらなる最適化の可能性を特定できるように、ユーザがデータを解析できるようにすることが目的でした。

実装:

moneoは既存の強力なITストラクチャの中央サーバにインストールされ、moneo RTMモジュールがライセンスキー(LAC)を使用して起動されました。マイクロフィルタを監視するために2つの圧力センサが取付けられ、1台はフィルタの前の圧力を検出し、他方はフィルタの後ろの圧力を検出します。2つの値に基づいて差圧を判定し、フィルタの状態に関する情報が提供されます。測定は非常に正確でなくてはなりません。圧力センサはIO-Linkインターフェースを備え、IoT IO-Linkマスタへのデータ転送が可能です。サーバにインストールされたmoneo RTMモジュールが、マスタから圧力データを毎秒取得します。

moneo RTMはデータを処理して次のことに使用します。

  • 差圧の計算
  • 履歴データの保存
  • データの視覚化
  • しきい値の監視

フィルタを監視するため、警告とアラームのしきい値が定義されました。このデータはフィルタメーカのデータシートから取得されました。データシートには、定義された流速で差圧がどれだけになるかが示されています(当社のアプリケーションでは約1 m³/h = 約0.005 MPa)。差圧が>0.05 MPaでフィルタ交換が推奨されます。新しい条件で差圧に0.05 MPaが加算されます。その結果、この例のフィルタは0.055 MPaで交換すべきです。使用されるセンサの最大測定誤差は約0.005 MPaであるため、アラームしきい値は0.05 MPaに設定されます。ここでは警告しきい値はそれより早く有効になり、スタッフに適時に警告するために0.045 MPaに設定されました。

その結果、

数週間のうちに、最初の結果が得られました。目視による外観チェックと期間からの判断では、既にフィルタ交換必要でした。しかし、フィルタの常時監視からのデータと測定結果は、フィルタの詰まりは20%にすぎないことを示していました。その結果、時間ベースのフィルタ交換を省略することにしました。これによりフィルタの寿命が大幅に延長されました。

結論:

moneo RTMにより、次のすべての目標が達成できました。

  • 設備に関する概要と詳細情報をダッシュボードに表示
  • さらなる最適化のためにデータを記録
  • データ記録の解析の可能性
  • フィルタ状態の常時監視
  • しきい値違反の場合にメール通知

システムの構造

  1. IO-Linkマスタ(AL1350)
  2. フィルタの前の圧力センサ
  3. フィルタの後ろの圧力センサ

ダッシュボード

関連するセンサ情報は、ダッシュボード機能で迅速かつ個別に視覚化できます。

  1. 折れ線グラフに、時間の関数としての圧力変数(フィルタ前後の差圧)が表示されます。
  2. フィルタの前の現在の圧力
  3. 現在の差圧、しきい値表示付き
  4. フィルタの後ろの現在の圧力
  5. フィルタ状態(%)
  6. 現在のフィルタ状態の信号機表示

分析

解析を使用して、さらに詳細を見ることができます。スクリーンショットには、1か月間で収集された圧力値が表示されます。ご覧のように、差圧は時間の経過とともに増加します。フィルタは時間をかけて詰まるため、これは想定どおりです。良かった点は、値の増加が想定よりゆっくりであることで、フィルタの寿命を延長できることが読み取れます。

  1. 青線:フィルタでの差圧

タスクとチケット:

しきい値の管理

moneo RTMのこの機能により、各プロセス値に対して個別にしきい値を定義できます。このアプリケーションでは、フィルタ交換が必要な場合に、メンテナンススタッフが適時に通知を受けるようにしきい値が設定されました。

特に機械の起動時には、高い圧力変動が一時的に生じることがあります。これは遅延時間で対処できます。つまり、短時間のみ超過したリミット値は抑制され、システムは差圧が時間Xにわたって超過した場合のみ反応します。

  1. 上限警告しきい値
  2. 警告しきい値の遅延時間
  3. 上限アラームしきい値
  4. アラームしきい値の遅延時間

チケット処理ルールの管理

チケット処理ルールウィザードを使用すると、警告およびアラームのルールを簡単に定義できます。下の例では、警告およびアラームのしきい値に到達し、直ちにまたは緊急にフィルタ交換が推奨される場合に、ビルサービス部門のメール受信者グループに通知が送られます。

  1. しきい値(5)とデータソース(6)の定義
  2. どのルールが適用されるかを定義
  3. 警告またはアラームの緊急度を定義
  4. メール受信者を定義
  5. 関係するしきい値を定義
  6. 対応するデータソースの定義

moneo内で生成されるメールには、既に次のチケット情報が含まれます。

  • 影響されるデータソース
  • 超過または未達の値
  • チケットの優先度
  • タイムスタンプ

計算値:

差圧の計算

差圧∆P= フィルタの前の圧力 - フィルタの後ろの圧力

  1. フィルタの前の圧力
  2. フィルタの後ろの圧力
  3. 圧力値のオフセット(オプション)
  4. フィルタの前の圧力をフィルタの後ろの圧力から減算
  5. 結果の差圧(MPa)

フィルタ状態(%)の計算

フィルタ状態(%) = 差圧 * 100% / 最大差圧

  1. 差圧
  2. 定数100%
  3. フィルタ交換時の最大差圧
  4. 乗算
  5. 除算
  6. フィルタ状態の結果(%)