- moneo:IIoTプラットフォーム
- ユースケース
moneo RTMを使用し、パルス出力またはS0インターフェース経由で消費量測定
自動消費量測定によるエネルギ消費の最適化
わずかな作業で既存のシステムに支障をきたすことなく消費データを記録して、エネルギ消費の最適化に使用できます。エネルギ節約の可能性が示される一方で、エネルギの無駄が明らかになります。
多くのカウンタやセンサにはパルス出力またはS0インターフェースが備わり、自動消費量測定に使用できます。熱量計、電力量計、水量計、フローセンサやガスメータにはS0インターフェースがあります。
初期状態:
消費量測定は、現在の産業で一般的に行われていますが、多くの場合、いまだ自動化されていません。つまり、個別の消費量、ピーク消費量、全消費量の合計を中央管理で評価することができません。運転時間外に想定外の追加消費があっても、それを特定できない可能性があります。エネルギ消費におけるコスト改善も特定できません。
プロジェクトの目的:
総エネルギ消費量の評価、最適化、コスト削減のためには、消費量の自動測定が必要です。
- すべての消費データを一元的に視覚化
- 消費量の分析
- 複数のカウンタを組合わせて1つの総合カウンタに
- エネルギ関連のコスト要因の特定
- 運転時間外の消費量測定
- ピーク消費期間の特定
実装:
このようなプロジェクトを実装するためには、選択したメータやセンサのほかに、次の基本コンポーネントが必要です。
- IO-Linkカウンタモジュール(DP2302)
- IO-Linkマスタ(例: AL1350)
- 24V電源(例: DN4011)
- M12接続ケーブル(例: EVC014)
- プラグ付き接続ケーブル(例: EVC076)
カウンタモジュールがパルスを検出して合算します。このカウンタ値はIO-Link経由でIO-Linkマスタに伝送され、そこでmoneo RTMによって処理されます。
結果:
moneo RTMによるエネルギ消費量の可視化。総エネルギ消費量の可視化により、エネルギを大量消費している部分の特定も可能です。これによりコストとエネルギを節約できます。ピーク負荷の評価により、計画の信頼性が向上します。
結論:
つまり、エネルギの無駄を特定して回避できるため、エネルギ転換に効果的にはたらきます。
ダッシュボード
ダッシュボードはすべての消費量値の概要を表示します。さまざまな可視化要素により、各消費値が明確かつ簡潔に表示されます。次の例では、ライン1とライン2の消費量を測定する2つの電力メータが表示されています。計算値機能を使用して合計消費量を判定し、追加表示できます。
- ライン1の電力消費量
- ライン2の電力消費量
- 合計消費量(ライン1+2)
分析
moneoはバックグラウンドで永続的にデータを保存します。これにより、後になって消費量を詳細に分析することが可能です。柔軟な分析により、さまざまなプロセスデータを比較できます。そのため、ピーク消費期間を簡単に特定できます。これらのインサイトは最適化に活用できます。
計算値
IO-Linkアダプタは検出されたパルスをmoneoシステムに伝送します。計算値機能でそれを直接使用できるプロセスデータに変換します。
例1: カウントされたパルス値に基づいて消費量をkWhで計算
DP2302には2つのカウンタ(メインカウンタとバッチカウンタ)があります。メインカウンタの最大カウント範囲は0~99,999,999です。最大値を超過するとゼロにリセットされ、バッチカウンタが1カウントされます。これにより、99,999,999を超える値のカウントが可能です。バッチカウンタを計算に含める必要があります。この例では、1パルスは1 Whに相当します。つまり、メインカウンタのみでは99,999 kWh(= 99,999,999パルス)までしかカウントできません。バッチカウンタにより、カウント範囲は9,999倍に増加します(約9億9,900万kWh = 999 MWh)。
電力消費量(kWh)=((バッチカウンタ*99,999,999)+メインカウンタ)/1,000
- データソース:メインカウンタ
- データソース:バッチカウンタ
- 定数99,999,999
- バッチカウンタにメインカウンタの最大値を積算
- バッチカウンタ+メインカウンタの加算
- WhをkWhに変換するための定数
- カウンタ値を定数1で除算
- 合計消費量(kWh)
例2: 複数のカウンタを加算して合計消費量を求める
- データソース:ライン1のカウンタ
- データソース:ライン2のカウンタ
- 値の加算(ライン1+ライン2)
- 合計消費量(kWh)