Bucher社 自動パイプ洗浄用の強力なコントローラ
自治体が保有する車両で使用されるセンサと制御コンポーネントは、非常に高い要件を満たさなければなりません。コンポーネントは過酷な温度、湿度、埃、汚れ、および振動にさらされます。ifmはこのような過酷な環境条件向けに、「ecomatmobile」シリーズで自動化コンポーネントを提供しています。Bucher社はecomatmobile製品を下水清掃車両に使用しています。
デンマークのBucher社のR&DマネージャのBrian Munk Andersen氏が、この車両タイプの構造と機能を説明します。「Bucher社の下水道清掃機は、2つのポンプシステムが特徴です。噴射ポンプで下水道とタンクを清掃します。バキュームポンプを使用して、汚泥や産業廃棄物を車両に取り付けられたタンクに吸い上げることができます」
車両の外側に設置されたモバイルアプリケーション向けの2つのifm制御装置により、車両オペレータはブームの回転、ホースの巻取りと巻戻し、ポンプのスイッチング、下水タンクの排出など、さまざまな作業ステップを実施できます。ダイアログモジュールのディスプレイには、関連するシステムパラメータとプロセス値が表示され、ユーザが作業ステップを実施するのを支援します。車両内の制御装置（これもifmが提供）が、個別プロセスがスムーズに実行されることを保証します。
すべての機械パラメータの表示と設定用に、車両の外部コントロールキャビネットに取付けられた堅牢な12インチディスプレイCR1200
パートナとしてのifm
これまで数年にわたり、オートメーションのスペシャリストifmは、センサコンポーネントと制御テクノロジのパートナとしてBucher Municipal社をサポートしてきました。Brian Munk Andersen氏は、次のように述べています。「Bucherでは、イノベーションと新規開発に常にフォーカスしています。そのため自動化されインテリジェントなソリューションを使用しています。2016年にifmとの協力関係を開始したとき、制御ソリューションの信頼できるサプライヤを探していました。ifmは当社の製品に対して、センサからディスプレイやIOシステム、コントローラまで、幅広いコンポーネントを提供してくれます。
開発段階を通して、ifmと緊密に協力してソリューションを開発し、理想的な製品を選択してきました。当社の車両は、低温、高温、埃や汚れなど、非常にさまざまな条件下で稼働しなければなりません。そのためコンポーネントにはとりわけ高い要件が課せられます。ifmと共に、機械が路上に出たときにオペレータに高い品質と安全基準を提供する、数多くの自動化機能を備えた信頼性が高く優れたソリューションを作成しました」
下水道清掃用の巻かれていない噴射ポンプと吸入ポンプを備えた、Bucher Municipal社の下水清掃車両。
中心となるコンポーネントの詳細
システムの中心的要素は、モバイルアプリケーション向けの非常に堅牢なPLC、ecomatController CR711Sです。これが特別なのは、2つの独立した内部PLCを備えていることです。その1つは認定済みのセーフティコントローラです。内蔵の強力なmultiコアプロセッサにより、複雑な制御機能も迅速に処理できます。
アプリケーションプログラムは、必要に応じて2つの内部PLCの間で分担できます。そのため、一般プログラムの実行に干渉されることなく、安全プログラム部分を実行できます。これにより、複雑なコントロール機能のなかでも信頼性の高い動作が保証されます。コントローラはISO 13849 PL dおよびIEC 62061 SIL CL 2までの安全関連アプリケーションで使用することができます。
ecomatControllerは、診断機能付きの数多くの多機能入出力に加え、2つのEthernetポートと4つのCANインターフェースを備えています。CANインターフェースはすべての重要なバスプロトコル（CANopen、CANopen Safety、J1939）のほかに、透過的で事前処理されたデータ交換もサポートします。CODESYSプログラミング（バージョン3.5）により、コントロール機能を簡単にアプリケーションプログラムに統合できます。
Bucher社では、コントローラはさらにGSM無線モジュールに接続されています。Andersen氏は、「多くの場合に、リモート接続によって車両がまだ路上にある間に問題を解決できます。これによりお客様は大幅に時間を節約できます。公共車両を当社の多数のサービスセンタでチェックする必要があるのは、リモートトラブルシューティングが可能でない場合のみです」と述べています。
IOモジュール
さまざまなセンサやアクチュエータが、下水道清掃車両に取付けられ、さまざまな作業ステップとプロセス値を監視して制御します。分散型IOモジュールを使用して、CANバス経由でコントローラと通信します。Brian Munk Andersen氏はメリットを説明します。「トラックのさまざまな位置に取付けられたCAN装置によって、配線を削減し、機器のより優れた信頼性と使いやすさを達成しています」
タイプCR2032制御モジュールには、それぞれ16ポートあり、たとえばデジタル入力または出力、比例弁を制御するためのPWM出力など、多機能に設定できます。モジュールに統合されたコントローラにより、センサ信号を前もって分散評価できます。データをこのように事前にフィルタリングすることにより、CANバス上のコントローラへのデータフローが削減されるだけではなく、PLC上のアプリケーションプログラムもシンプルになります。
堅牢な金属外装は、モバイルマシンの過酷な屋外使用向けに特に設計されており、保護等級IP 67でコネクタの高い浸入耐性を提供します。
写真1：コントロールキャビネットの右上のコアエレメント：2つのPLC（標準x1、セーフティx１）を内蔵する強力なecomatController CR711S写真2：車両の外側の分散CAN IOモジュールが、センサやアクチュエータをコントローラに接続します。
ダイアログモジュール
モバイルアプリケーション向けのさまざまなディスプレイが、ヒューマンマシンインターフェースとして車両の外側に取付けられています。Brian Munk Andersen氏は、「メインキャビネットの大型ディスプレイで、オペレータはシステム全体を制御して基本的設定を実行できます。その後、システムはリモート制御またはオペレーティングパネルで操作できます」と述べています。
ダイアログモジュールは、モバイルマシンおよび設備の制御、パラメータ設定、操作のためのプログラミング可能なグラフィックディスプレイです。モバイル用コントローラと共に使用、またはスタンドアロンソリューションとして使用できます。データとデバイス機能は、CANインターフェース経由で安全に伝送されます。ディスプレイには自由に設定できるバックライト付きのファンクションキーが多数備わっています。ユニットは公道で作業するための強化されたEMCレベルとe1タイプ認定を提供します。外装の高い保護等級により、モジュールは外側パネルおよび表面取付け、ならびに運転席への取付けにも適しています。モバイルアプリケーション向けのifmのその他のコンポーネントと同様に、ディスプレイは振動耐性があり、保護等級はIP67です。
BasicDisplay CR0451は非常に重要なパラメータをコントロールパネルに表示します。
結論
ifmは、公共車両の機能ユニットの、効率的で信頼性の高い自動化向けの包括的な製品ポートフォリオを提供します。Brian Munk Andersen氏が結論付けます。「ifmのソリューションにより、優れた信頼性を提供し、当社の機器を操作する人たちの生活を大幅に易しくする、高度に自動化されたシステムを作成できます」ifm close to you!