PMD Profilerがエラーのない車体製造を保証
Ford社は、創業者の精神を引き継ぎ、革新的な技術とオートメーションソリューションに重点を置いて、品質と効率の向上を組合せ続けています。これはスペインのバレンシアにある工場にも該当します。ここではifmの輪郭認識センサPMD Profilerが、Ford Kugaの製造を注意深く監視しています。
当時でもHenry Ford氏は、効率的な大量生産と一貫した車両品質を確実に行うため、最高レベルの品質のコンポーネントを全体的に使用し、できるだけ逸脱を小さくすることで、厳格な品質保証基準を維持することの重要性を認識していました。この原則は現在も残っていますが、車体製造のみは、はるかに複雑で多面的になりました。現代の車両製造における品質保証には、多くの厳しい手順があります。
Ford Kugaは他のモデルと共にスペインのバレンシアにある工場で製造されていますが、その製造で特定の課題が発生しました。実際の作業ステップには、小さく完全に平坦な補強シートを、大きなアセンブリに溶接することが含まれています。「機械オペレータが大きなボディシェルコンポーネントをターンテーブルに挿入してから、小さな金属シートを上に配置します」と、Ford Europe 社のManufacturing Engineer BodysideのMario Eschweiler氏が説明します。同氏はケルンにあるGerman Ford社の、対応する品質保証プロジェクトを監督しました。「この段階で、小さな金属シートが正しく配置されているかどうかを確実に認識できることが重要です。さらに、2枚以上の補強シートが誤って積まれていないことを確認する必要もあります。次のステップでは、ターンテーブルが回転してロボットが溶接を行い、両方のコンポーネントを除去します」
最終的に、車両の品質が細部に至るまで確実に行われるようにするには、すべての製造ステップを正確に実行する必要があります。画像ソース：Ford Werke GmbH
カメラシステムでは対応できないタスク
この固定製造シーケンスのため、存在検出用の従来型の光電距離センサという選択肢はありませんでした。理由は、センサを、機械オペレータやロボットの邪魔にならないように取り付けることができなかったからです。適切なソリューションの選択について説明するとき、Eschweiler氏はこう述べます。「高周波誘導式および機械式のセンサは同じ理由で適していませんでした。片面誘導式二重シート検出は、小さな部品の小さい寸法と、関連する位置決め機能により、排除されました」さらに、小さい寸法と平坦な表面は、すでに厳しい課題です。さらに、日中の太陽と夜間の人工照明によって生じる強く変動する照明条件も、タスクをさらに困難にしていました。「初期テストで示されたように、これらの要件によって、従来型のカメラシステムの機能の限界を超えていました」とEschweiler氏は説明します。試運転の段階では、テスト対象のカメラソリューションが1％を超える誤検出レートを記録しました。「しかし、カメラシステムの使用を不可能にした基準は別のものでした。1度に1枚のみの補強シートが挿入されたことを確認できなかったのです」。すべてifmのPMD Profilerにとって完璧な課題です。
写真1：日中の太陽と夜間の人工照明によって生じる強く変動する照明条件も、タスクをさらに困難にしていましたが、PMD Profilerがそれを解決しました。画像ソース：Ford Werke GmbH写真2：PMD Profilerは小さな金属シートが正しく配置されているかどうかを検出します。画像ソース：Ford Werke GmbH
PMD Profilerはコンポーネントが正しく使用され組立てられていることを確実に保証します。そのために光電式ラインスキャナが、レーザ光線をテスト対象の作業エリアに投影し、反射光によって高さプロファイルを判定します。高さプロファイルがティーチインで指定されたプロファイルと一致する場合、PMD Profilerは正しいアセンブリを検出します。プロファイルが自由に定義できる許容範囲の値を超えて逸脱している場合は、センサはエラー信号を生成します。PMD Profilerの測定精度は500µmで、非常に小さな逸脱も検出するため、薄い補強プレートが欠損していたり、配置されている枚数が大きすぎたりするかどうかも検出できます。実際の高さプロファイルを指定された高さプロファイルと比較することで、コンポーネントの正しい配列もテストできます。PMD Profilerの動作精度は、作業環境、つまり距離にかかわらず外部光に対する耐性、レーザ光線に対するコンポーネントの位置の柔軟性の点で、許容値を用いて整合されます。
技術的に堅牢なソリューション
ifmのドイツ自動車専門家による初期テストおよび機能デモンストレーション、ならびにifmのスペインの子会社が監督した実際のテスト段階で、ラインスキャナはFord社のプロジェクト参加者を納得させることに成功しました。その結果、「PMD Profilerを使用することで、タスクを技術的に熟達した方法で解決でき、確実なエラー検出によりダウンタイムを効果的に最小化できました」とEschweiler氏は言います。「現在、タスクは継続的な運用の中で優れた方法で解決されています。この点は、通常運転の1か月目の1000台当たりのエラー数がわずか0.2だったという事実で強調されます。Profilerが不正な負荷を適切に指摘した、実際に不正な負荷だった可能性が極めて高いです」
結論
PMD Profilerを使用することで、Ford社は製造ステップの品質を確実に保証できました。しかし、ドイツのプロジェクトマネージャは、ラインスキャナの高いパフォーマンスレベルのみの成果ではないと考えています。「プロジェクト全体を通して、ifmの業界専門家から、一貫して有能かつ個人的なサポートを、ここドイツとスペインのサイト両方で受けました。それも私の考えでは、理想的なソリューションを見つけて無事に実装できたことに貢献した、非常に重要な要因です」
