Opel – O3D：上からの眺め
O3Dセンサ
ifmのO3D302ビジョンセンサは、画像評価を内蔵する3Dカメラです。PMD画像センサの解像度は176 x 132ピクセルです。
23,232の個々のピクセルに対して、センサは正確な距離値を毎秒最高25回提供します。レーザスキャナとは異なり、ifmの3Dセンサには可動部品がありません。そのため非常に堅牢、小型で費用対効果に優れています。
3Dイメージはセンサで評価されるため、外部でのイメージ評価は不要です。クランプとセンサとの距離は、カメライメージ内の定義可能な位置（ROI、評価対象エリア）を介して測定されます。内蔵の評価装置が、テンションレバーが「開いている」か「閉じている」かを検出します。イベントは内蔵Ethernetインターフェースを使用して、TCP/IP、またはPROFINET IO、EtherNet/IP経由でコントローラに転送されます。ライブカメライメージも提供できます。
「Vision Assistant」ソフトウェアを使用すると、センサパラメータの設定、ROIの定義、出力機能の設定などを簡単に行えます。このソフトウェアはWindows PC用とiPad用の両方があります。
準備された数枚のシートメタルプレートが溶接されてサブアセンブリを形成します。
上から監視
2台センサを溶接システムの上方に設置しています。1台は配置エリア（コンポーネント配置）、もう1台は実際の溶接エリアです。両方が、溶接されるシートメタルと設置機器のクランプを上から見下ろします。
Opelに導入された画像処理用アプリケーションおよびプラント建設のロボティクスのエンジニアであるFabian Gulla氏が、センサの機能を説明します。"センサを距離測定に使用しています。そのために、検出する評価対象エリアを複数定義しました。1つはクランプとそのエンド位置で、コンポーネントが存在するかどうかの検出用です。もちろん、複数の一次元光電センサを使用して、各エリアに1台のセンサを配置して、これを検出することも可能です。O3Dのメリットは、センサが1台済むことと、ROIをソフトウェア内で再定義できる点です。ROIをクランプとワークのエンド位置に配列し、次に距離測定を使用して、「コンポーネントが存在するかどうか」または「クランプがエンド位置に到達したかどうか」を検出します。 "
写真1：3Dセンサは複数の位置を同時に監視します。写真2：ホワイトボディのエリアでの溶接システム。
コストを削減
多数のセンサではなく1台の3Dセンサで、機器内の複数箇所で位置を同時に検出します。O3Dビジョンセンサの使用により、このプラント内の従来のセンサの80 %を置換できました。
ケーブル配線、設置用アクセサリ、コントローラのI/Oポイントを削減することで、さらに節約できる可能性があります。
表示
プロセスの透明性のため、Opelはプラントの視覚化用モニタを設置しました。グラフィックプロセス視覚化のほかに、O3Dはライブ画像も提供できます。
ifmセンサのメリットは、エンド位置をクランプとコンポーネントに割当て、ライブ画像で視覚化できることです。赤/緑の色変化で、ワークが配置されているかどうか、クランプが開いているか閉じているか、がオペレータに通知されます。
センサのパラメータを設定し、それによりセンサからライブ画像が提供されるため、他のプログラミング作業は不要です。
自由な設置スペース：溶接トングと溶接スパッタのエリアにはセンサ不要です。
省スペース
複数の位置を複数のセンサではなく1台のセンサで検出できます。また、このセンサはプラントの上部の高い位置に設置されるため、プラントの建設にもメリットがあります。
Claus Moog氏：「O3Dセンサを使用することで、全く新しい可能性が生まれました。例えば、建設スペースの増加と、溶接トングにアクセスするためのスペースの増加です。さらに、従来型のセンサの故障に対する脆弱性も排除できます。このセンサは溶接エリア上部の高い位置に設置されるため、溶接トングの近くに設置される従来型センサのように、溶接スパッタがセンサに飛散し、時間とともに損傷することはありません」
写真1：評価対象エリアが色で示された3Dセンサのライブ画像。写真2：視覚化により透明性が保証され、動作ステップがオペレータに示されます。
展望
Opelのこのパイオニアプラントでの経験は全体的に良好でした。これはプラント建設の今後の進展に影響します。
O3Dビジョンセンサはビジョンセンサの開発者との緊密な協力で導入されました。
Fabian Gulla氏：「ifmとの協力関係は非常に良いです。開発者と何回か直接ミーティングを行いました。それにより「センサが機能する仕組みは？」、「注意すべきことは何か？」「クランプが確実に検出されるために必要なサイズは？」など、重要な知見を得られました。」
結論
センサ台数の削減、シンプルなプラント構造、溶接スパッタの干渉がないこと - 監視システムとしてのビジョンセンサには多数のメリットがあり、プラントコストを大幅に削減します。他の生産プラントにも、ビジョンセンサを設置して最適化できます。
