Unchained Robotics –確実な精度で分類
ピックアンドプレイスソリューションの心臓の役割をする3Dセンサ
クリスマス近くになるとカレンダーの需要が増えます。年末が近づくと、名前入りカレンダーの生産がピークに達します。個別にデザインされたカレンダーは、年間を通して楽しい時間を思い出させるものとして喜ばれます。スタートアップ企業Unchained Robotics社は、印刷所のピックアンドプレイスソリューションで、名前入りカレンダーをできるだけ早く顧客に届けるサポートをしました。中心的な要素は、協働ロボットとifmの3Dセンサでした。
East WestphaliaのPaderborn郊外にある工業地区。そこで大量のカレンダーが生産されています。ビジネス顧客向けの100部でも、オンラインポータルで独自のパーソナルカレンダーを作成する個人向けの1部のみでも、DIN A5からDIN A3までのさまざまな形式のバラエティ豊富なカレンダーが、出荷用に梱包され、Unchained Roboticsのピックアンドプレイスステーションに送られます。
ここでは、レーザスキャナが自動的にバーコードを検出して、トラックアンドトレースによる追跡が可能になり、協働ロボットがカレンダーをコンベアベルトから取り上げ、サイズごとにきれいに分類して輸送パレットまたは郵便ボックスに配置します。
3Dセンサとifmの技術サポートを信頼
ロボット設備の中心には、ifmの3Dセンサ、O3Dがあります。このO3Dは、タイムオブフライト原理に基づいて動作します。3Dセンサは、マトリックス状に配置された23,000ピクセルにより、発射された光線が再びセンサに到達するのに必要な時間を、キャプチャあたりの反射として検出します。 O3Dは、このデータに基づいて物体とシーンの空間的寸法を正確に計算します。
「この点が、O3Dに決定するうえで重要なポイントでした。」と、Unchained Roboticsの創設者の1人であるMladen Milicevic氏は言います。「センサが各パッケージの高さ、基本形状、角度、ずれを正確に検出するため、他の機器やプロセスを停止する必要はありません。つまり、配置や方向を気にせずに、パッケージをコンベアベルトに置くことができます。これにより従業員のストレスが減り、手動プロセスが加速します。」とMilicevic氏が説明します。
既存のソフトウェアに簡単に統合
「特に、当社の自社開発ソフトウェアへの統合が容易であることからO3Dを選びました。」とMilicevic氏は続けます。「そして、ifmは質問に対し迅速かつ適格に対応してくれました。」
Unchained Roboticsのソフトウェアは、データに基づいて、取り扱うパッケージのどこにロボットが吸着カップを置くべきかを正確に計算できます。これにより、カレンダーは常に、バランスが取れ最適な方向で確実に持上げられます。
精度によって衝突を回避
3Dセンサによって得られる高い精度は、ロボットによって行われるピックアンドプレイスのタスクに必須です。「特にカレンダーが郵便ボックスに配置される場合、スペースは貴重です。」ロボットは、アームやカレンダーが金属壁に衝突するのを防ぐために、高い精度と小さい許容値範囲内で動く必要があります。
写真1：センサから伝送されるデータに基づいて、ソフトウェアはロボットアームの動きを計算し、パッケージを配置場所に正確に位置決めできるようにします。写真2：限られたスペースでは、衝突を防ぐために正確なデータと正確な計算が必要です。
形式によって、ロボットは最高12枚のカレンダーを、配置場所の3x4パターンに配置します。正確な位置決めにより、仕切りのないパレットでも最高70㎝の高さまで積み上げることが出来ます。「信頼性の高い正確な高さの検出は、パターン内の配置位置を選択する際に重要な役割を果たします。」とMilicevic氏が説明します。「ロボットは、個々のパッケージの高さを考慮して、特殊な高さアルゴリズムに従ってパッケージを配置します。パッケージは、最も高い位置が常にロボットから最も遠くなるように仕分けされます。また、梱包されたカレンダーは、最高の高さまで積み上げられたときに、ほぼ均一で平坦な面を形成します。」
このセンサは、23,000ピクセルでパッケージの位置と高さを正確に検出します。
ソリューションの核となるカメラとソフトウェア
このスタートアップ企業のピックアンドプレイスソリューションは、8秒の周期レートで、クリスマス前の繁忙期に課される高い要件にも対応します。この時期、毎日最高6,000部のカレンダーが印刷所から出荷されます。パッケージの重さは最高9㎏になります。「これは協働ロボットアームの技術データの限界ぎりぎりです。」とMilicevic氏は説明します。「これより重い物の移動や、より早い周期レートが必要な場合は、より強力な産業用ロボットを使用するでしょう。ロボットがソリューション内で果たす役割は小さいため、それは大きな問題ではありません。汎用ソリューションの中心はカメラとソフトウェアの組合せで、これによりこのソリューションはカレンダーの出荷アプリケーションだけでなく、製品がパレットに置かれたりパレットから取上げられたりする様々なピックアンドプレイスプロセスに適しています。」
センサとソフトウェアのこの強力な組合せのもう1つのメリットは、ロボットアーム以外のシステムコンポーネントが不要なため、実装コストを最低限に抑えられることです。
ロボットアーム、ifmの3Dセンサ、Unchained Roboticsのソフトウェアで構成されるこのソリューションにより、毎日最高6,000パッケージを処理できます。顧客の要件に応じて、より高い周期レートや、重い荷重移動のために、他のロボットを使用することもできます。
結論
O3DはUnchained Roboticsのピックアンドプレイスソリューションの中心的要素です。パッケージを3次元で正確に検出するため、3Dセンサは信頼性の高い情報をソフトウェアに提供し、ロボットアームを正確に制御するのに役立ちます。印刷所が最も忙しい時期でも、カレンダーは確実に適切な配置場所に配置され、顧客に適時に届きます。
