インダストリー4.0を加速するワイヤレス通信
今日では、現場からのデータ収集と活用が重要視されています。これらのデータから得られる機械システムや装置の稼働状態に関する重要な情報を、メンテナンスと生産管理において適切な決断や意思決定に利用することができます。Bluetooth Meshのワイヤレス通信は、短時間で簡単に構築することができます。
Bluetooth Meshができること
インダストリー4.0を加速するワイヤレス通信Bluetooth Meshをシステムに導入することで、通信手段が広がりインダストリー4.0を促進します。配線の増設が不要で、制御システムの障害も発生しません。
最大50点のデバイス接続が可能Bluetooth Meshシステムは、最大50台のIO-Linkデバイスを接続できます。このため、必要に応じてシステムの拡張が簡単にできます。
センサのIIoT化によるデータの診断と活用が可能Bluetooth Meshによりセンサデータは簡単に読み取ることができます。また、読み取ったセンサデータは、MQTT/JSON形式で伝送し、IIoTアプリケーションで処理・活用することができます。ifmのIIoTプラットフォームであるmoneoが最適なデータ活用を実現します。接続するだけのプラグ＆プレイにより、導入が短時間で簡単に完了します。
データセキュリティパスワード設定によりデータのセキュリティを確保します。
- センサ・アクチュエータ
- Bluetooth Meshアダプタ
- PLC（既存配線を使用して接続する場合）
- Bluetooth Meshベースステーション
- IIoTアプリケーション
Bluetooth Meshシステムのコンポーネント
Bluetooth Meshシステムは、1台のベースステーションに最大50点の接続が可能なBluetoothアダプタから構成されます。アダプタは他社製IO-Linkセンサとの接続も可能で、ベースステーションにプロセスデータをBluetooth経由で送信します。ネットワーク内にベースステーションの通信圏外となるアダプタがあっても、他のアダプタを中継して情報を伝送します。ifmのIoT Coreを使用し、MQTT/JSON形式でベースステーションからセンサデータが上位のIIoTシステムの機器へ送信されます。
例えばifmのIIoTプラットフォームmoneoを使用した場合、moneoはわずか数回のクリック操作でベースステーションを認識し、収集したデータを保存して分析・処理ができます。このように、最大の柔軟性と拡張性を提供します。
注目ポイント: moneoでデータを変換し、MQTT・OPC UAまたは専用の通信を介してクラウドシステムへ伝送することができます。
知っておくと便利: システムを改装してもセンサのSIO信号(従来の入出力信号)は変更されず、コントローラと通信を行います。
Bluetooth Mesh導入の手順
ユースケース
従来システムを活かしたエネルギー効率化の監視
化粧品メーカーのお客様は、圧縮空気の消費量を測定するため、ifmのSD流体センサを製造システムのさまざまな場所に設置しています。センサからデータを収集・分析して、配管上のエア漏れやコンプレッサの摩耗を早期に特定・対応することで、コストの損失を抑制しています。
同社は、分散設置されているセンサのIIoT化を進めるため、Bluetooth Meshシステムを導入しました。このため、改造コストが大幅に削減できました。センサとITレベル間を接続する30 m超の長いケーブルが必要なくなり、Bluetooth MeshアダプタをIO-Linkセンサにつないでアダプタとベースステーションを接続するだけで導入が完了しました。ベースステーションからIIoTプラットフォームmoneoに収集したデータを送信して詳細な分析を行い、その結果がエネルギー管理システムに伝送されます。
システムの健全性監視
自動車メーカーのお客様は、大型ファンの常時状態監視にifmのセンサを使い、振動パラメータと温度を測定しています。これらのパラメータは、ファンのメンテナンス必要性の判断材料として、信頼性の高い情報を提供します。そうしたデータの診断に、ifmのIIoTプラットフォームmoneoが使われています。収集した情報から損傷の兆候を早期に検出して、システム障害を防止することができます。また、状態に応じた計画的なメンテナンスの実施が可能になり、想定外のダウンタイムが最小限に抑えられます。
同社は、センサとIIoTレベル間の統合にBluetooth Meshシステムを導入しました。大きな労力を必要としないため、自社だけで作業を進めることができました。これにより、立ち上げまでの長時間の稼働停止や複雑な配線作業、外注コストを削減することができました。
Bluetooth Meshを使った簡易監視
食品メーカーのお客様は、分離機の排出と圧力上昇を検出してデジタル診断ができ、一時的に使用可能な柔軟性のあるソリューションを探していました。シンプルですぐに導入でき、測定ポイントを変更してもIIoTレベルに簡単に接続してデータ収集が可能であることが必要条件でした。こうした要求に応えるソリューションが、Bluetooth Meshです。Bluetoothアダプタは、測定したいポイントに柔軟に取付けられ、IIoTアプリケーションにプロセス値をMQTT/JSON形式で伝送して情報を変換します。配線をし直す必要もありません。
導入当初から良好な結果が得られ、デジタルワイヤレス式データ収集のメリットが実感できたため、今後はシステムの測定ポイントを追加して、Bluetooth MeshによるIIoTレベルへのデータ伝送を長期的に導入する計画です。
インダストリー4.0のメリット
Bluetooth Meshが最適な理由
Bluetooth Meshは、既存工場にIO-Linkセンサを導入するレトロフィットに適しており、インダストリー4.0のさまざまなメリットをもたらします。具体的には、ソフトウェアを使いITレベルでプロセスデータを保存・診断して重要な情報を取り出し、プロセスの最適化を実現します。Bluetoothを利用するため、配線を増設する必要や、センサとコントローラ間の通信障害がありません。