- 港湾の自動化
- 衝突防止機能付きリーチスタッカ
衝突のない安全な操縦
巨大、数十トンの大重量、複雑:世界中のコンテナ港で、コンテナの積上げや移動にリーチスタッカが使用されます。狭いコンテナターミナルを高速で操縦中の衝突を回避するため、ifmは自動衝突防止を提供しています。後ろの3Dカメラが後方を監視し、移動経路上の物体を検出して運転者に衝突の可能性を警告します。
幅14 m、最大40トンのコンテナをブームに取り付けて狭いコンテナスタックを移動する際、運転者はまっすぐ前方を見ています。後退操縦中でも、壁のように積上げられたコンテナに当たらないよう、運転者は両側のコンテナに注意しなければなりません。
たとえば2台のリーチトラッカが互いに後退しながら接近する場合や、トラックが横断したり、人が操縦範囲内にいる場合など、危険な状況は何度も生じます。通常のバックビューカメラでは、運転者は後方を見ることができますが、このようなカメラは危険な状況で警告を発することはありません。
自動衝突回避
ifmのO3Mカメラで積極的保護を提供:内蔵の3Dセンサは、車両の背後にある障害物の存在だけでなく、サイズ、位置、動き(ある場合)を判断してコックピットスクリーンに表示します。このような状況の検知とリーチスタッカの動きに基づいて、O3Mシステムは物体の危険度を評価します。システムは運転者に対し、進路上または衝突コース上の障害物を警告します。これにより、運転者は不要な警告に苛立つことがなくなります。
インテリジェントなO3Mシステムのもう一つのメリットは、別の車両が側面から移動経路に進入してきた場合、警告距離よりも先に検知します。
オーバーレイ3Dでの物体検知カメラ画像
O3Mシステムには2台のカメラが内蔵されています。従来型の2Dカメラと、ピクセル値で正確な距離を判断する3Dカメラです。ユーザのメリット:検出された物体は色の違いによりハイライトされ2D画像上で強調して表示されます。たとえば危険な距離にある場合は赤で、それほど危険ではないけれども認識を推奨する距離は黄色や緑で強調表示できます。
さらに、追加の警告記号も表示できます。このオーバーレイはO3Mのみで生成されるため、追加のハードウェアや複雑なセットアップ、プログラミングは不要です。ifmの「Vision Assistant」ソフトウェアを使用して、アプリケーション状態に合わせて簡単かつ便利に設定し、表示させることができます(色、記号、言語など)。
段階的な警告
色の強調表示の他に、CANバスを使用することで、ブザーによる警告やブレーキ操作に繋がる警告が可能になります。この警告は、障害物までの距離に応じて段階的に設定できます。つまり、最初はブザーと色の強調表示による警告が与えられます。運転者が反応せず、さらに危険な距離まで近づいた場合は、車両にブレーキがかかります。
段階的な警告の例
内蔵のifm製PMD 3Dチップが、1回の画像キャプチャのみで背景や物体を3Dで検出します。これにより、ラインスキャナで起こりがちな被写体のブレを回避します。受賞歴のある特許取得済みのifmのPMDテクノロジは、建機・特装車の過酷な使用環境条件に耐えることのできるセンサシステムを支えています。堅牢でコンパクトな設計のO3Mセンサシステムは、照明条件が変化したり明るい日光が当たるような屋外アプリケーション向けに設計されています。レーザスキャナなどの他のセンサとは異なり、ifm 3Dセンサには可動部品がありません。そのため非常に堅牢で摩耗しません。このPMDテクノロジは、タイムオブフライト原理に基づいています。シーンは目に見えない変調赤外線光で照射され、反射光がセンサに戻ります。このセンサは変調源にも接続されています。伝送信号と受信信号の間の位相シフトによりPMDチップのピクセル値が変化し、対象物までの距離を判断します。組込みの背景照明アクティブ抑制により、画像センサが外乱光によって飽和することを、ほぼ完全に予防します。つまり、PMD 3Dセンサは最高120 klxの明るい日光でも動作できます。内蔵の2×32ビットプロセッサアーキテクチャにより、1秒間に最高50枚の画像を使用して、システム内で直接高速かつ信頼性の高い3Dデータ計算ができます。
スマート機能
建機・特装車向け3Dスマートセンサには、ここで説明した衝突回避の他に、走行ラインの誘導やエリア監視など多数のアプリケーションを解決できる機能が搭載されています。自動車業界向けに開発された高度なアルゴリズムを使用して、20個までの対象物を高い信頼性で自動認識できます。
システムのパラメータは、Windows用の使いやすいソフトウェア「ifm Vision Assistant」を使用して、わずか数ステップで設定できます。車両の寸法などに関するパラメータをいくつか入力するだけで完了です。通常、数分で完了するこのセットアップ後、すぐにシステムを操作できます。
通信インターフェース
前処理済みの関数データは、CANopenまたはSAE J 1939を介してCANバスに出力されます。必要に応じて、Ethernet UDPと外部処理装置を介して完全な3D情報も処理できます。これにより、開発者はオープンシステムを利用できます。
結論
O3Mは、衝突を予測し、運転者に警告する建機・特装車向けの後付け可能な運転者サポートシステムです。コンパクトなセンサ外装に、様々な機能が内蔵されたスタンドアロンシステムです。パラメータは使いやすいソフトウェアから数ステップで設定できます。そのため、システムをさまざまなタイプの車両に使用できます。ifmは、港湾ロジスティクスなどの安全性を向上させ、コスト最適化のソリューションを提供します。