- アプリケーション別温度センサ
- 測定技術
測定技術
薄膜チップ設計
ifmは高度に工学的な製造方法を使用しています。RTD素子はまず薄膜キャリアに結着されます。これにより導線の熱質量が減少します。次に、薄膜キャリアとRTD素子は専用のアセンブリキャリアに取付けられます。キャリアはRTD素子を正確に正しい場所に位置付け、プローブの内部被覆壁に対して一定の力でRTDに負荷をかけます。これにより、RTD素子は被覆に直接接触して一定に制御されるため、RTD素子をプロセス媒体から分離する熱質量を最小化できます。その結果、高速で再現性のある応答が得られます。
金属製結着チップ
このifm設計では、RTD素子をプローブチップの銅めっき内壁に直接金属的に結着する、画期的なプロセスを使用します。これにより、直接金属結着の非常に低い熱質量が生まれ、熱伝導が最適になります。金属結着技術により、すべてのポリマー部を排除でき、センサをより高い温度で使用できるようになります。さらに、チップの構造により、既に高速な当社の薄膜設計より2倍の応答速度が実現します。
下図は、薄膜構造と金属結着構造の応答時間の差を示しています。
金属結着構造は次のものに適しています。
- UHT(超高温)殺菌プロセス
- HTST(高温短時間)殺菌プロセス
- SIP(定置蒸気滅菌)測定
- 高速な反応速度と重要な温度測定が必要な連続プロセス
ifmの食品飲料/サニタリアプリケーション向けのTA2タイプの機器は、金属製結着チップ構造を使用しています。
自己評価デュアル素子チップ
TCCシリーズのセンサの設計には、信号のドリフトが生じた場合に自己検出して警告を送信する、2つの検出素子が含まれます。PTC(正温度係数)素子は、温度の上昇とともに抵抗が増加します。NTC(負温度係数)素子は、温度の上昇とともに抵抗が減少します。
PTCとNTCは温度変化に対して逆方向に反応するため、マイクロプロセッサは2つの素子の差を測定して、精度低下の可能性をユーザに警告することができます。
赤外線非接触技術
赤外線温度測定機器は、パイロメータとも呼ばれ、物体から放射される赤外線(IR)の量を検出します。レンズが赤外線を検出器に集中させ、検出器がエネルギーを電子信号に変換します。この技術により、物体に接触することなく遠くから温度を測定できます。
温度が-273℃(0 K)を超えるすべての物体はある程度の瀬赤外線エネルギーを放射します。物体がこのエネルギーを放射する能力は放射率(ε)と言われます。材質は表面仕上げをはじめとする多くの要因が、物体の放射率に影響します。たとえば、研磨処理された金属の放射率は、粗い表面よりはるかに低くなります。放射率情報は、インターネットの検索や教科書で得られますが、実際の値はターゲットの周囲や形状、その他の要因によって変わることがあります。この表は例を示すものです。
放射率:ε
材質 | [%] | 材質 | [%] |
---|---|---|---|
黒色物体 | 100 | ガラス | 85~95 |
グラファイト | 98 | 酸化鉄 | 85~89 |
皮膚(人間) | 98 | エナメル | 84~88 |
ベーキングオーブン | 96 | 石こう | 80~90 |
ビチューメン(屋根材) | 96 | 木材 | 80~90 |
水 | 92~98 | 織物 | 75~88 |
アスファルト | 90~98 | ラジエータ | 80~85 |
コンロ | 95 | 銅(酸化) | 78 |
大理石 | 94 | シャモット(耐火粘土) | 75 |
ゴム(黒) | 94 | アルミナ | 76 |
煉瓦 | 93~96 | 革 | 75~80 |
土 | 92~96 | 硬化煉瓦(艶あり) | 75 |
塗料およびラッカー(艶消し) | 96 | 紙 | 70~94 |
塗料およびラッカー(光沢) | 92 | スチール(赤色酸化) | 69 |
漆喰 | 91 | プラスチック(不透明) | 65~95 |
砂 | 90 | コンクリート | 55~65 |
セメント | 90 | 真鍮(酸化) | 56~64 |
オーブン内のパン | 88 | スチール(さび止め) | 45 |
IRパイロメータは次のものに適しています。
- 非常に高温の物体(最高4500 °F)の存在の検出
- 同様の物体の温度測定(正確な測定には放射率係数が必要)
- アスファルト製造、製鉄所、ガラスプラントなどの産業
ifmはTWシリーズで赤外線温度センサを提供しています。