Agrometer社 フィールドアプリケーション向けの堅牢なPLC
多くの農業者は、動物から生じるスラリーを作物生産用の肥料として使用します。しかし、スラリータンクを備えた平均的なスラリー車両は、せいぜい小規模なフィールドにしか適していません。Grindstedに本社を置くデンマークの企業Agrometer社は、迅速でコスト効率に優れ、汚れに強い、大規模なフィールドでも天然肥料の噴霧が可能なソリューションを開発しています。ホースを使用して中央の場所からフィールドにスラリーを輸送します。
この目的で、特殊車両には巨大なホースリールが装備されています。電気油圧で駆動されるリールが、フィールド内を運転中に必要に応じてホースを巻き取ったりほどいたりします。フィールドの端などで方向を変える場合、ガイドアームがホースを均等な半径に位置付けます。目を見張るようなパフォーマンスで、毎時最高200トンのスラリーを散布できます。
メリット:車両にはスラリータンクが不要なため、車両重量を軽減できます。これにより、土圧を設置面積より低い値に削減できます。自重が軽いということは、土壌がまだ柔らかい年の初頭に、農業者がフィールドに入れるということを意味します。肥料はパイプとホースを介して直接機械に供給され、路上での臭いの問題が除去されます。Agrometer社はこのようなスラリー散布機を、散布幅最高30メートルの独立車両として、または供給噴霧器と呼ばれるトラクタ用のトレーラとして構築しています。
機械制御用の中央PLC
両方のバリエーションを組合せ:ホースの巻取りなどの重要な機能は、中央PLCによって自動的に制御されます。多数のセンサを使用して、ホースガイドアームの動きやその他の位置決めタスクを監視し、それが分散IOモジュールを経由してコントローラに通知されます。センサはスラリーパイプの圧力や温度も監視します。
Agrometer社の技術マネージャのOluf Kristensen氏が説明します。「当社の機械には、ifmの新しいモバイル用コントローラと分散IOモジュールを使用しています。それによって、機械の配線とメンテナンスがシンプルになり、より迅速にセットアップできます。
機械を開発するとき、主にシステムインテグレータのPagaard社と協力しています。Pagaard社は完全なifmシステムを当社に提供し、ソフトウェアを開発しました。Pagaard社はエラー処理のためのサービスパートナでもあります」
システムインテグレータのPagaard社は、ifmの「ecomatController」を信頼しています。これはモバイルマシンで使用するために特に設計されています。
Pagaard社の最高経営責任者であり共同所有者でもあるTorben Lund氏が、ifmを使用するという決定を説明します。「最初、Agrometer社では産業用PLCを使用していました。しかしすぐに、モバイルマシンで使用される産業用製品の耐久性が大きな問題であることに気づきました。そのような目的で設計されてはいないからです。そこで、モバイルアプリケーションの過酷な要件に耐えることができるテクノロジを求めて、市場を探し回りました。既にセンサを購入しているifmが思い浮かびました。ifmは、このタスクに最適だと私たちが確信するコントローラを提供しています」
自走式のスラリー散布機SDS 8000は、ホースを経由して最高毎時200トンのスラリーを散布できます。
極端な使用環境条件向けの設計
長年にわたり、ifmはモバイルで使用するための堅牢な制御システムの主要なサプライヤで、この分野で広範なアプリケーションのノウハウを提供しています。「ecomat」シリーズは、モバイルアプリケーションの過酷な環境の影響に耐えることができるPLC、IOモジュール、センサで構成されます。
スラリーや水、永続的な凝結、汚れは、モバイルアプリケーション向けのifmシステムにとって問題ではありません。外装の特殊な機械仕様と信頼性の高いシーリングコンセプトで、湿気の浸入を防ぎます。適切なコネクタと接続ケーブルにより、保護等級IP69Kが外装接続で終わらないことを保証します。
氷のような冷たさや灼熱の暑さの極端な気象条件:ifmの制御コンポーネントは幅広い温度範囲に対応し、あらゆる気候ゾーンで使用できます。すべてのセンサとコントローラは、周期的な温度衝撃試験で耐性を示さなければなりません。耐性のある外装材質により、冬季に砂粒によって生じることがある塩分の堆積が、製品に影響しないことが保証されます。
状況が厳しくなると、材料は永続的な振動や極端な衝撃にさらされます。そのため、モバイルアプリケーションのセンサは完全密閉型です。コネクタは特殊な振動保護によって意図しないゆるみから保護されます。コントローラとモジュールの機械仕様は、永続的な衝撃および振動への耐性があります。
詳細はEMCテストが示しているように、複雑な電子機器は、電磁干渉から保護されています。伝導干渉は確実に除去され、コントローラに影響を与えません。これにより、輸送や物流の屋外アプリケーションのように過酷な条件下でも、CANインターフェース経由のデータ交換が確実に機能します。Pagaard社のソフトウェアエンジニアMichael Lindbjerg氏が説明します。「モバイルマシンの電圧は大きく変動します。産業用PLCはそのようには設計されていません。モバイルアプリケーション向けのPLCは、8~32ボルトの幅広い電圧範囲で動作するため、適しています。
さらに、すべてのecomatコンポーネントは、German Federal Motor Transport Authorityによりe1タイプの認定を受けています。そのため、車両の運転許可を無効にすることなく、装置を取付けることができます。すべての装置は、e1タイプ認定に必要なEMCリミット値を超えて、100 V/mの拡張EMC耐性を持ち、車両のオンボード電源システムからのパルスに問題なく耐えます。
堅牢な分散I/Oモジュールはセンサの信号を受信し、それをCANバス経由でPLCに伝送します。
モバイルアプリケーション向けのifmのecomatController(右下)は車両の外側のコントロールキャビネットに取付けられます。
強力なコントローラ
Agrometer社で使用されるecomatController CR721S は、2台の内部PLC装置で構成され、そのうち1台は安全関連のアプリケーション向けに最高EN 13849 PL dおよびEN 62061 SIL cl2に承認されています。この2台のPLCのメリット:2台の独立した内蔵プログラマブルコントローラにより、必要に応じてアプリケーションソフトウェアを細分化できます。そのため、一般プログラムの実行に干渉されることなく、安全プログラム部分を実行できます。強力な32ビットマルチコアプロセッサにより、複雑な制御タスクでも高速なプログラム実行を保証します。
ecomatController CR721Sは124個の多機能入力および出力を備えています。Pagaard社のソフトウェアエンジニアMichael Lindbjerg氏がメリットを説明します。「すべての入力はデジタル、アナログ、または周波数入力に設定できます。以前は出力の監視に関して問題がありました。業界では純粋にデジタルだったためですが、ifmのコントローラにはPWM出力があります。これはモバイルの世界では、たとえばパルス幅変調出力による油圧バルブの制御などで、重要な機能です。
建機・特装車および機器のほとんどの機能は油圧システムで実施されます。電子バルブとポンプ制御は、現代的な機械では標準になっています。ifmのecomatmobileシステムは電流制御のPWM出力と、パワー出力用に最適化された制御機能を提供します。これにより、油圧と電子機器との間にメーカ依存しないインターフェースができます。
結論
ifmのモバイル用コントローラは、困難な使用環境条件下でも究極の信頼性と強力なパフォーマンスを保証します。汎用性のある接続性と機能により、最大限の柔軟性が実現します。堅牢なPLCにより、ifmは過酷なモバイルアプリケーションで不可欠な品質を保証します。ifm close to you!