カルマン渦式流量センサの導入事例
カルマン渦式流量センサは、水・液体の流量を高精度で測定します。プラント配管の水冷能力を維持し、植物工場の正確な灌水制御で植物の生育を管理します。ifmのソリューションを実際に導入されたお客さまの事例をご覧ください。
内容
流量監視で水冷能力を維持
135年以上の歴史を持つHORN Glass Industries AGは、世界中でガラス製造設備に関する様々なソリューションをカスタマイズ提供するメーカーで、モリブデン電極によりガラスの原材料を電気溶融するガラス炉を製造しています。ガラス溶融電極を納めているホルダには1本ずつ水冷管があり、過熱による損傷から守ります。過熱は、計画外の製造ダウンタイムや製造品質低下をもたらす原因となります。流量制御室で水冷管の循環水を管理し、各水冷管に取り付けられたSVカルマン渦式流量センサが流量と温度を監視します。電極のホルダに付けられた熱電対による温度測定と組み合わせて、ホルダの冷却状態を常に監視して記録することができます。
冷却能力の監視で損傷を防ぐ
SCHOTT AGは、特殊ガラスとガラスセラミックの高度な製造技術を持つ世界的なリーディングカンパニーです。特殊ガラスとガラスセラミックの製造工程は、溶融に最高1700 °Cの高温が必要です。水冷管を通じ、必要な熱エネルギーを溶融タンクに供給します。非常に重要な機能を持つ水冷管は、少しの損傷で正常な冷却能力が維持できなくなり、冷却システムに重大故障をもたらします。
冷却システム入口側にある1台の温度センサと、リターンラインに取付けられた温度測定機能を内蔵するSVカルマン渦式流量センサを使って熱損失を計算し、常時冷却能力を監視して設備を正常に稼働させます。SV流量センサは、温度測定機能を内蔵しているため、測定ポイントを増やす必要がありません。SVは信頼性の高い冷却水監視のアプリケーションを実現し、冷却水を脱塩処理する新設の工場や、既存工場の黒管配管や開放式冷却塔にも設置できます。また、水質が異なる冷却水の測定が可能です。
射出成形用温度調節器の品質管理
E.Braunは、工業用の温度調節器・空調設備機器の製造メーカーです。射出成形工程に使われる温度調節機器は、最終製品の製品品質を長期間保証できるよう、正確な温度制御性能が非常に重要です。しかし、使用年数が長くなるうちに、温調配管には汚れや水垢が蓄積します。また、設備の停止中に配管内に残った水分は、錆の原因となります。こうした詰まりにより配管内部が狭くなり、温度調節が正常に機能しなくなります。これにより、加工する製品に品質不良をもたらします。
E.Braunの新型試験装置は、このような問題を解決します。第一に、使用前の流量と圧力の測定で配管内の堆積物やリークを毎回確認します。第二に、配管内部の錆の発生を防ぐため、使用後にエアブロー乾燥します。
最適な温度制御で高効率を達成
ALMiGは、高い技術を持つコンプレッサメーカーで、高品質なカスタマイズソリューションと総合的なサービスを提供しています。効率化とサステナビリティをモットーに、工場の省エネと高効率化を達成するコンプレッサを持続的に開発しています。カルマン渦式流量センサSVは、水噴射式スクリューコンプレッサのテストベンチに搭載され、循環水の流量測定に使用されています。流量と温度を測定してバランス良くエネルギーを使用することにより、設備の稼働効率を向上させます。特に、循環水によりコンプレッサの圧縮温度をできる限り下げることが、稼働の高効率化につながります。
水処理をより効率的に
EnviroFALK GmbHは、30年以上にわたり世界中で幅広く産業用水処理システムを提供しているメーカーです。同社のプラントでは、さまざまな工程で軟水を処理して超純水を精製しています。
部分脱塩処理した水を、逆浸透(RO)膜でろ過して濃縮水を分離します。規定の比率で水を濃縮し、ろ過工程でろ過膜を透過する水量をフィードバック制御します。これにより、プラントの効率化とオーバフロー防止が両方実現します。濃縮水の総水量を、カルマン渦式流量センサSVで検出・伝送して、常に正確に水量を制御します。