アイスクリームが一瞬で完成
ドイツのエンジニアリング会社Energietechnik Satrup GmbHは、工場の設計・建設のコンサルティングから立上げ・長期サポートまで、30年以上にわたり自動化ソリューションを提供してきました。
同社が支援するアイスクリームメーカーのGiovanni L.は、スムーズな製造プロセスを実現しています。カップアイス製造の最終工程では、容器をシールで封止するために真空吸着搬送装置が使われます。PQ Cube圧力センサは、装置がカートリッジからシールを真空搬送して、容器の決められた位置に配置する監視のために導入されています。真空搬送で規定の吸引圧力が得られない場合は、吸着装置をシリンダで上に移動させてアイスクリームに漬からないようにします。
センサは、ホースを短くして装置側に近い位置に設置し、最大限の高速応答・高精度のスイッチポイントを実行しています。また、センサは定期洗浄の対象エリアに設置されています。以前導入していたセンサは、漏れや洗剤によって一定期間で故障していましたが、PQ CubeはIP65の防水性を備え、ハウジングが3つの射出成形部品で構成されているため、洗浄に対する耐久性があります。
スムーズな配送工程を実現する真空搬送
ドイツの機械メーカーPCA Roboter- und Verpackungstechnik GmbHは、梱包・パレタイズ等のさまざまな搬送装置を開発し、30年以上にわたり幅広いソリューションを提供してきました。同社は、企画から導入までサポートする総合的なサービスモデルを展開しています。
ロボットを使ったパレタイズでは、真空搬送技術が欠かせません。この技術は、荷物の箱を決められた位置に移動させる搬送工程で特に必要です。装置が適切に箱を掴むと、真空が発生して移動が始まります。PQ Cube圧力センサは、固定用のアクセサリで工程内の壁面に取付けられ、真空の発生を監視します。
バキュームリフトの安全性向上と見える化を実現
ドイツのFEZERは、90年以上の歴史を持つ搬送装置のメーカーで、搬送物を真空吸着で吊り上げるバキュームリフトの革新なソリューションを手頃な価格で提供しています。搬送物に合わせたさまざまなアプリケーションに対応するカスタマイズ製品を展開し、効率的で高い信頼性と操作性を実現しています。
取扱製品の中には、コイル運搬用の無動力式バキュームリフトもあり、重量のあるコイルを吊り上げて移動・回転でき、作業の負担を軽減します。PQ Cube圧力センサは、各吸着チャンバの監視に使われ耐荷重を保証する最適な真空レベルが確保されます。運搬中の真空量の変化を、見やすい赤/緑の表示色の変化で作業員に警告し、迅速に安全措置を講じることができます。貯蔵タンクからバキュームリフトに真空を供給するため、従来よりも電気料金が約50~70パーセント削減できます。その貯蔵タンクにも、PQ Cubeを設置してパーセント表示される真空レベルを監視し、必要に応じてポンプのオン・オフを切り替えます。パーセント表示は、各国で使われる圧力単位に関係なく、真空レベルを把握できます。
高精度な射出成形で製品品質を確保
Kunststofftechnik Schmidは、プラスチック加工の自動化分野で高品質なソリューションとサービスを、35年にわたり提供してきました。同社は、射出成形部品の企画から量産までフルサービスを提供するパートナーとしてお客さまをサポートし、オーダーメイドのソリューションをワンストップで提供しています。
4個の部品から構成される複雑な射出成形部品の製造では、次工程の金型と正確に合わせられる高い精度が要求されます。このため真空搬送装置を使い、規定の真空レベルを維持します。PQ Cube圧力センサは、確実な真空レベルの監視に使われています。目標値に達した時に、次の射出成形ステップに部品を移動します。そうでない場合は、センサにより工程をすぐに停止させます。真空吸着装置にPQ Cubeを直接取付け、装置の動力と高速移動に対応できるようにしています。センサは、高温・高湿の過酷な環境で使用されます。しかし、耐久性を高める基板コーティングで測定セルを保護しており、このような環境にも影響されず、高い動作信頼性が実現します。
正常な真空搬送を実現するプロセス圧の維持
家電メーカーのBSH Hausgeräte GmbHは、1967年の創立以来、ドイツのディリンゲン工場で2000機種以上ものビルトイン食器洗浄機を製造してきました。同社の製品モデルには、サイズ・外観・色・技術・機能などさまざま仕様があります。
PQ Cube圧力センサは、食器洗浄機の庫内に使われる円形のブランク材を製造する工程に使われています。製造したブランク材を数秒で次工程に搬送するロボットアームの真空吸着装置のプロセス圧を、センサを使って監視します。ロボットの把持プロセスが正常に実行されなければ、プロセス全体が効率よくスムーズに進みません。そのため、規定のプロセス圧を維持しながら、適切なタイミングで真空吸着装置を完全に開閉させる必要があります。圧力センサは、装置の空気圧を維持する圧力レギュレータにDINレールで直接取付けられています。また、メンテナンスユニットにもPQ Cubeを設置して、2台のロボットに供給する空気圧のシステム圧力を監視します。
工場のデジタル化と省資源を実現
紙おむつ製造のあるメーカー様は、生産ラインのプロセス圧力と真空量を監視するため、約100ヵ所の測定ポイントに機械式圧力計を使っていました。シフト毎に値を毎回読取って、マニュアル操作でシステムに転送していました。
その後、デジタル化プロジェクトが進められ、機械式圧力計をPQ Cube圧力センサに交換しました。PQ CubeのIO-Link通信機能により、デジタル式の測定データをいつでも制御とITのシステムに送信して利用でき、紙おむつの製造が効率化されました。プロセス値の履歴を連続して記録し、工場の稼働状態が常に把握できます。これにより、プロセスの変化の兆候を早期に検出して修正でき、システムの高効率化と資源の節約を実現しています。現場のインフラに接続してすぐ使用できるフィールド機器(IO-Linkマスタ・スイッチ・電源)は、既存の機械の構成を変えずに短期間で簡単に後付けできます。